ミックスダウン・マスタリング

ミックスダウン

 「ミックスダウン」とは、「ボーカルレコーディング」で説明しましたボーカルトラックの音源トラックと、カラオケ(伴奏)音源をミックス(合成)して、ひとつの楽曲の完成音源にまとめ上げる工程です。これは、複数の歌唱Takeからセレクトした(良いところを選んで合成した)完成ボーカルトラックをさらに音楽的・音響的に調整して楽曲のボーカルとして品位をアップしていきます。
この調整には、以下が代表的なものです。

【録音レベル】

 どうしても小さい声や大きすぎる声など、生録音ではそのレベル(音量)が不揃いになります。小さい声は大きく、大きい声は大き過ぎないように歌詞が、歌がうまく伝わるように調整します。

【タイミング】

 歌っていく中で、ちょっとタイミングが早く突っ込み過ぎた、あるいはその逆で遅すぎた場合など、ある程度はこのミックスダウン処理の中でコンピュータを使って修正可能です。この調整には、以下が代表的なものです。

【ピッチコントロール】

 ピッチ(音程)が微妙にフラット(♭:低い)あるいはシャープ(#:高い)場合も、ある程度コンピュータで修正できます。ピッチが合ったことで、楽曲が明るくなったり、歌声が若くなったり感じることも珍しくありません。

【周波数コントロール(音質調整)】

低音をもう少しボリューム感を出す(逆に低音を少しカット気味に)、あるいはもう少し高音を増して、言葉のキレと歌詞をクリアになど、ボーカルの持つ周波数特性や倍音のキャラクターをこの調整で変化させることができます。お好みのキャラクターを創りましょう。

マスタリング

 マスタリングとは、実際に販売用のCDプレスや、音源のデジタル配信をするための最終工程です。
アナログレコード時代からの、「マスター」すなわち「原盤」を作ることと同じ意味です。

 ここでは、1枚のCDに数曲楽曲をまとめるにあたって、曲の頭と終わりの無音時間の設定、楽曲による聴いた感じの「音圧」を設定し、曲間でばらつかないように調整をします。加えて、曲によって極端に高音域や低音域が強かったり、弱かったりのアンバランスも♭になるように調整します。

 また、自分たちが作った楽曲(CD)が、ラジオや有線、テレビなどで流れた場合に、音圧負けしないように、サウンドに迫力やエネルギー感を持たせる処理も、このマスタリングで行います。